747-8貨物型が納入-日本の航空貨物業界への影響は

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2009/11/15 エバレット-米シアトル郊外
ボーイングの最新鋭貨物機、747-8が完成し、報道陣に公開された。747-8は747の最新鋭機で、747-400を主翼の前後で計 5.7 メートル胴体を延長して収容力を増大させている。エンジンは747-8と同様のGENxを採用、低燃費、騒音減退など環境性能にも優れ、既存の747-400よりも30%以上低コストで運航が可能。ローンチカスタマー(最初の発注者)のCargolux(ルクセンブルク),NCA(日本貨物航空-2010年3月にJALと統合予定)を初め、大韓航空、EmiratesCargo,等に順次納入されてゆく。今回の機材はルクセンブルグの航空貨物大手Cargoluxに納入される。Cargoluxは金沢の小松空港に就航しているので、日本に来る日も近いかもしれない。

 747-8は民間旅客機としては珍しく、貨物型が先に就航するモデルになった。
大型の旅客需要はエアバス社のA380に取られ、貨物型が105機発注を受けているのとは対照的に、旅客型の発注数はわずかにルフトハンザ航空が30機しているのみ。(他にプライベート機として発注がある模様)
 一方A380の貨物型であるA380Fは相次ぐ納入の遅れから、発注が全てキャンセルされ、開発自体が中断している。今回のB747-8Fによる影響を考えてみたい。

■環境性能に優れた経済機
 B747-8は、既存のB747-400よりも胴体が大きく、現在製造中のB787の最新のアビオニクスを導入した、新しい航空機だ。
 今まで貨物機は新造機として作られることもあったが、旅客機として十数年ぐらい運用した後で貨物機に転用されるものも多かった。経年機は新造機に比べて整備時間をとられる。貨物型の方が運用時間が短い傾向にあるので、適していたのだ。
 また古い旅客機にはエンジンが3発や4発のものが多い。現在はエンジンの信頼性も上がり、高出力が出せるようになったので、2発機が主力だが、旅客機よりも重量が重くなりがちな貨物機では、3発・4発であることがアドバンテージになっていた。
 事実3発機のMD-11は、旅客型としては燃費の悪さや、設計の不出来により現在旅客型として運航している航空会社は皆無になっているが、Fedex,UPSといった大手貨物会社では主力機になっている。

 しかし、経年機は燃費が悪く、昨今のエネルギー高騰では、運航コストの上昇が課題になっていた。経年機の機体コストが安さを上回る上昇となり、古い機体の退役は急ピッチで進んでいる。
 体力のある貨物会社は、コスト削減のために新造機を発注し、運航コストを下げることができる一方、体力のない会社は既存の経年機を使いつづけるしかない。今後航空貨物業界に再編を促すインパクトのある機体と言えるだろう。

■日本貨物航空(NCA)にも納入
 B747-8は、Cargoluxとともに、日本貨物航空(NCA)もローンチカスタマー(開発時の最初の注文者)となっており。合計14機(確定8機、オプション6機)が順次納入されるはずであったが、昨今の不景気により貨物は急減、さらに空いた機体を提供する予定であった提携先のCargoBも破綻し、来年にはJALと貨物部門を統合することで合意している。B747-8に関しても、納入の延期やキャンセルが囁かれている。

 さらに問題なのはJALとの統合だ。JALにはB747-400の旅客型が42機在籍している。
今後路線の縮小で、不要になるのは明らかだ。
 となると貨物機に転用するか、売却するかどちらかになるが、売却すると機材の評価額を現在の市況に比べ割高に計上していたので、評価損が発生する可能性が高い。貨物機の転用を少しでも増やしたいところだが、再編後には14機の貨物型の747が存在しているので、これ以上増やして需要があるのかは疑問だ。

jal_nca.PNG 

 747の機体保有数が過剰である問題は、JALの抱える問題そのものと言ってもいい。分相応な大型機を飛ばしまくり、景気が良いときには良いのだが、需要が減るとすぐにダウンする。
 ライバルのANAは、那覇空港に貨物ハブ拠点を設け、アジアの貨物を那覇に集中させた上で、成田・関空へ送り、旅客機の下部の貨物室に載せ世界各地へ運ぶ、小規模ながら筋肉質な体制を作り上げている。
 JALの貨物部門の未来を考えるのなら、NCAが発注した747-8を導入し、筋肉質で、強大なメガカーゴを目指すべきなのだが、資金と需要がネックになっているのが現状だ。

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このページは、管理人が2009年11月23日 02:27に書いたブログ記事です。

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